満月散歩

イタドリ

イタドリの記事が載っていた。春の山菜で、若葉をもんで傷口に付けると痛みが和らぐから「イタドリ」と言うらしい。そんなことは初めて知った。徳島では「すかんぽ」と言うみたいである。このイタドリの思い出は多く。私たちの同世代は懐かしくて涙が出るほどだと思うといえばちょっと言い過ぎか。私たちは大きく成長したイタドリには興味はなく、芽の出始めの5,6㌢くらいのものを必死になって探したものだった。貧乏で食べるものに飢えていたころの時代。初春のこの食べ物は最高のご馳走であった。そしてこのくらいの大きさが一番美味しいのである。口で折った下の部分から皮をむき食べるとあの酸っぱさが全くないのである。学校の帰り道みんなでそのようにして、食べながら、わいわいと騒いだ記憶が懐かしい。桑の実も、柿も、青い梅までもかじった。本当に貧しい時代だったのだろう。しかし心までも貧しくはなかったように思う。子供の頃の思い出は生き生きとした楽しい思い出ばかりである。太く大きなイタドリは5センチくらいの輪切りにし両側に細かく切り込みを入れる。そしてカメの水につけておくと外側に巻き込み、風車のようになる。飲み水を溜めているカメのなかに何個もいれるのである。底に沈んでいるその風車を見ながらおふくろは水をすくい炊事をしていた。何も言わず。たぶんやっと来た春を私たちと同じように楽しんでいたのかもしれない。

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