満月散歩

クリスマス

昔、そごうが元気だったころの話。下請けのいや孫請けでそごうの仕事に携わっていたころがある。クリスマスから正月準備の頃が一番忙しく、徹夜で働いたころが懐かしい。辛かったし、みじめでもあった。お客様は神様だけど出入りの業者の扱いはひどく、我々下っ端の業者はまるで虫けら同然だった。しかし飾りつけが完成したときの達成感はやはり感動した。あの頃の経験が今につながっているのは言うまでもない。しかしそごうが倒産したときはショックとともに「やっぱり」もあった。夕方そごうの社長が帰宅する。業者でごった返す搬入口はその時間整列をし頭を下げて見送る。こんな馬鹿げた光景に何度も出くわした。私は列に並ばず「眼」を飛ばしていたように思う。怒りが込み上げ頂点に達した瞬間である。何様!ここで一生けん命働く人達は会社の宝であるはず。お客様は神様なら業者の人もまた神様。同列でなくてはいけない。「私は裏からこっそり帰るから、働く人の邪魔にならないように…皆さんに宜しく」それくらいのことを言ってもいいのではないかと思った。「倒産」やっぱり!である。たくさんのことを学んだ時期でもあった。辛かったことはいかに人間形成に役立つか。上手くいっているときこそ気を引き締め傲慢にならず、いつもあの頃を思い出すようにしている。メリークリスマス!

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