満月散歩

大晦日2

大晦日、紅白を見て除夜の鐘を聴きながら新しい年を迎える。この慣例がなくなって何年になるのだろう。肌を突き刺すような寒さの中を外に出て空を見上げ、今にも降り注いでくるのではないかと思うほどの星の輝き。不安な日々の繰り返し、新しい年の希望も抱けないそんな青春。目の前は真っ暗でグレー色というか鉛色の景色のなかを必死にもがいている。そんな20歳頃の自分を思い出す。あれから50何年も過ぎた。それなりに成長もし、強くもなりどれほど逞しくなったのだろう。いや何も変わらない。あの頃の研ぎ澄まされた感性に比べれば、今の自分は駄目な部分だけを残し日々の不安は何も変わらない。成長という証は何処にもない。ぼんやりと星を眺め「今年も終わりかぁ」そんな大晦日。疲れた、とにかく疲れた。これほど疲れた12月31日はない。何もできない、ただ眠り続けるだけ。夢を見ては目を醒まし、また眠り、取りとめの無い夢の繰り返し。いったいどれほど眠るのだろうと自分にあきれてしまう。新しい年は、人生最後のなんか大きな変革を感じる年になりそうである。後期高齢者の仲間入りもする。残された後の時間をどのように生きるのか。悔いを残さないように夢も持ち、新しいものにも挑戦する。そこのところは変わらず持ち続けたい。何とも不思議な感じの大晦日である。

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