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心地よいキンモクセイの香りが季節の早さを痛切に感じる。今年も後2カ月となってしまった。半袖から長袖に変わったばかりなのに、もう厚手の服も用意しなくてはならない季節になろうとしている。窓を閉め切った部屋にも聞こえてくる雨の音が本降りなんだなぁと感じる。この雨もまた次の季節を運ぶ役目なのだろうか。夏もいやだが冬もいや、世の中嫌なことが多すぎる。考えてみれば辛いことばかりの中にほんの少しだけ良いことがあった自分の人生。そのほんの少しの良いことを凄くありがたく感じるように辛いことをたくさん与えてくれているのかもしれない。生活、仕事に追われっぱなしの毎日で、深くものごとを考えないものなのだが、キンモクセイの香りが漂う肌寒いこの季節、晩秋は何故か心の中まで寂しくなるから不思議だ。師走の声を聞くようになれば覚悟が決まり、吹っ切れる。そのほんの少しの間のこの時季を心の栄養にしたい。
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