満月散歩

命日

友の命日の昨日、改めてあの日のことを思い出す。14,5年前のことだが昨日のことのように鮮明に思い出す。寒い日だった。毎日見舞いに行っていたのにその日だけ休んだ。彼から引き継いだ夜の仕事でかなり疲れていたというのは理由にはならないのだが、「この仕事をしているのだから今日だけは分かってくれるよな」とさぼってしまった。その夜に亡くなってしまうのだから後悔は何倍にも感じる。朝連絡をもらい家の方に向かうとすでに布団の上に寝かされていた。「夕べみんなで家に連れてきたの」家族の言葉。「ごめんな!」と彼に語り掛けたが、両足首の伸びが最後の叫びだったのだろう。必死に踏ん張って見える。一生懸命撫でて伸ばしてを繰り返した。あの冷たい感触は今も手に残っている。石よりも鉄よりも、何よりも冷たいあの感触は永遠の別れの証なのか。意識が遠のくまでは家族の話を一杯したよな。行く末を心配していたよな。痛いとか、苦しいとか、悲しいとか、辛いとか、そんなことは一切言わない。強いよなぁ!あんたには勝てんわ!自分はあんたの分まで生きてあげんとな!それが一番の供養だもんな!。今まで自分もそれなりに頑張ってきたが、相次ぐ病気に苛まれている最近である。弱気になることが多くなってきたのも事実だ。自分の人生がここまでだったとしても、あんたの分を生きなくてはいけない。最低あと十年は頑張らないとな、まだ誘いに来んといてな。私の机の上の遺影に語り掛ける。

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